ED(勃起不全)
2019.02.07
ED(勃起障害)
EDとはなんですか?
EDとはErectile Dysfunctionの略で、「勃起障害」と訳されています。勃起が不十分なために、性行為に支障があることをいい、具体的には以下のような症状をさします。あてはまることがあれば、早めに治療を考えてみてください。
【EDの症状】
◆勃起の硬さが弱くなった
◆勃起が短時間で萎えてしまう
◆一度萎えると再勃起が難しい
◆全く勃起しない
なぜ、EDが注目されるようになったのですか?
高齢者人口の増加や生活習慣病の多様化、社会的ストレスの増大などにより、患者数が実際に増えていると推測されます。近年、効果的な飲み薬が登場し治せる病気になったことや、ED治療によるさまざまな波及効果が明らかになったことなども、EDが注目されている理由といえます。
なお、国内のED患者数は推計1,130万人、40歳以上の男性の3人に1人が該当するといわれています。 しかし治療を受けている人は実際の患者数よりずっと少なく、ED治療の先進国であるアメリカなどと大きく異なります。日本人男性の多くが、手を伸ばせば届く幸せを享受していないのです。
ED治療の波及効果とは?
例えば、高血圧や糖尿病、脳卒中・心臓病の後遺症のある患者さんがEDの治療を受けると、このような病気の療養やリハビリによい効果が現れることがしばしばあります。ED治療の効果を実感し”生きがい”や”人生の喜び”を再確認できること、ご夫婦の関係が円満になることなどが、そういった生活習慣病の治療の励みになるのでしょう。
逆にEDの相談から高血圧や糖尿病が見つかることもあります。また、ストレスによるうつ傾向のある患者さんでは、ED治療によって抑うつ気分障害が改善される方もいます。
高血圧や糖尿病、脳卒中・心臓病の 後遺症がある人でもEDを治療できるのですか?
もちろんそれらの病気がない人に比べれば注意が必要ですが、治療を受けられないケースというのは、それほど多いものではありません。80歳を超えてED治療薬(PDE5阻害薬という飲み薬)を服用している方もいるほどで、きちんと事前に検査を受ければED治療を行えます。「自分は無理だろう」などとあきらめずに、まずは医師に相談してみてください。
【ED治療薬(PDE5阻害薬) を服用できないケース】
◆狭心症の治療で硝酸薬 (ニトログリセリン〈内服・ 舌下・スプレー・テープ・軟膏などのすべて〉や、ニコランジルなど)を使用している場合
◆今までにPDE5阻害薬を服用してアレルギー(過敏症)を起こしたことがある
◆心血管系の病気のために、医師から性行為が不適当だと診断されている(不安定狭心症、発作性頻拍症・ 心房細動、脈拍が40以下の徐脈、脈拍が100以上の頻脈など)
◆重度の肝機能障害
◆低血圧(90/50mmHg未満)や高血圧(170/100mm Hg以上)で、その治療が不十分
◆心筋梗塞発作や脳卒中のあと6カ月以内
◆網膜色素変性症
EDの原因について教えてください
勃起現象は、陰茎の海綿体に大量の血液を送り込み、性行為が終わるまでその血液が流出しな いように溜め込んでおくことで成立します。それには 陰茎の血管と神経が健康に保たれていることが重要です。ですから血管障害や神経障害を起こす危険因子は、EDの原因ともなります。血管障害は加齢とともに進行しますが、高血圧や糖尿病などがあると、より早く進行し、EDのリスクが高くなります。このほか、精神的ストレスや不安・緊張によるED、 男性更年期におけるホルモン分泌の低下によるED、薬の副作用によるEDなどがあります。
EDの薬はどのように作用して効果が現れるのでしょうか?
勃起現象をスムーズに起こすポイントは陰茎の血流量です。飲み薬のED治療薬「PDE5阻害薬」は、陰茎の血管を拡張して海綿体の血流量を増やし、勃起を促し持続させます。また、陰茎の血管障害の進行を抑える作用もあり、それによってEDの悪化を防ぐ働きもあると考えられています。
薬は、いつ、どのくらい飲むのですか?
現在、国内で3種類のED治療薬(PDE5阻害薬)があり、それぞれに薬の成分量が異なるものが用意されています。どの薬のどの用量を使うかは、EDの症状や全身の健康状態、患者さんの生活スタイルなどを医師が総合的に判断して決め、患者さんに処方します。性行為を行う1時間ぐらい前に1錠服用(頓服)してください。初めての服用時は緊張のためか、やや効果が弱い場合があります。効果が不十分だったとしても、がっかりせずに、2回目以降に期待してください。ただし、必ず定められた時間(24〜48 時間。薬の種類・用量により異なる)以上のあいだをおいて服用してください。なお、薬の効果を補うために、以下のような工夫をしてみるのもよいでしょう。
【薬の効果を引き出す方法】
◆満腹時を避け、空腹時に服用してみる(薬の種類によっては食後に効果が弱くなることがあるため)
◆睡眠を十分にとっておく
◆ほどよい飲酒(飲みすぎは逆効果)
◆パートナーと協力して、性的な刺激を工 夫する
◆無理そうなら焦らず、次回を楽しみに
副作用は?
まれに血圧が若干下がることがありますが、通常それが問題となることはありません。ただ、降圧薬を服用している場合は少し注意が必要ですから、医師の指示を守ってください。血圧低下のほかには軽い頭痛が起きることもありますが、一時的なものです。このほか稀な副作用として、視覚や聴覚の障害が報告されています。重要なことは、狭心症治療薬のニトログリセリン製剤などと同時に服用してはいけないということです。狭心症の薬と併用すると、血圧が過度に低下することがあるからです。この点は十分理解しておいてください。なお、患者さんから「薬を飲み続けると効果が弱くなるのでは?」という質問をよく受けますが、毎日継続して飲む薬ではないので、その心配はありません。
当院での診療について
《診察料》
◆初診料 3,300円(税込)
◆再診料 2,200円(税込)
医師による簡単な問診と診察を行います。診察は院長が行い、看護師は立ち合いません。
《薬剤費用》
◆シルデナフィルOD(50mg) 820円(税込) 〔注:バイアグラのジェネリック薬〕
◆レビトラ(10mg) 1,240円(税込)
◆レビトラ(20mg) 1,530円(税込)
◆シアリス(10mg) 1,550円(税込)
◆シアリス(20mg) 1,640円(税込)
ED治療薬は院内で処方いたします。薬局へ行く必要はありません。
佐藤あつしクリニック 院長
医学博士 / 日本内科学会認定総合内科専門医 / 日本血液学会認定専門医・指導医 / 日本消化器病学会認定専門医 / 日本消化器内視鏡学会認定専門医 / 日本医師会認定産業医 / 日本医師会認定健康スポーツ医 / 日本スポーツ協会公認スポーツドクター/愛知県医師会認定かかりつけ医
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