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慢性胃炎

2023.02.26

慢性胃炎(ピロリ菌感染胃炎)

慢性胃炎(ピロリ菌感染胃炎)

ピロリ菌感染によって慢性胃炎が発症し進行すると、胃がんを発症する危険性が高くなります。胃がんを予防するためには、ピロリ菌感染の有無を検査し、感染している場合はピロリ菌を除菌することが重要です。

 

 

ピロリ菌感染胃炎とは

胃の粘膜の表面に起こる炎症を胃炎といいます。食べすぎや飲みすぎなどが原因となって急性胃炎が起こることがありますが、慢性的に炎症を生じる胃炎のほとんどは、ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)の感染が原因で起こるピロリ菌感染胃炎です。

 

ピロリ菌は、免疫の働きがまだ十分に発達していない幼少期に感染しやすく、口から入って胃の粘膜に住み着きます。感染すると、ピロリ菌が出す毒素によって胃の粘膜が損傷を受け、感染して数週間から数か月間でほぼ100 %の人がピロリ菌感染胃炎を発症します。しかし、ピロリ菌感染胃炎が起こっても、ほとんどの場合、自覚症状はありません。

 

ピロリ菌による胃の粘膜の変化

ピロリ菌感染胃炎を発症すると、胃酸を分泌する細胞が破壊されていきます。個人差はありますが、ピロリ菌感染胃炎による胃の粘膜の損傷は数十年かかって徐々に進行します。そのため、多くの場合、40~50歳代で胃の粘膜が萎縮した状態になる「萎縮性胃炎」が起こります。

 

特に、ピロリ菌感染胃炎を発症しているところに、ストレスが続いたり、塩分の多い食品をとりすぎたりすると、胃の粘膜の萎縮が速く進みやすいことがわかっています。萎縮性胃炎が起こっても、ピロリ菌感染胃炎の場合と同様に、自覚症状がない場合がほとんどです。

 

萎縮性胃炎の状態が続き、胃酸がほとんど分泌されなくなると、胃酸から粘膜を守る必要がなくなるため、胃の粘膜が腸の粘膜に似た組織に変異する「腸上皮化生」が起こることがあります。

 

胃がんの発症

「萎縮性胃炎」が起こると胃がんを発症する危険性が高くなり、「腸上皮化生」に進行するとさらにその危険性が高くなります。

 

まれに、ピロリ菌感染胃炎から萎縮性胃炎を経ずに胃がんを発症する場合もあります。また、さまざまな研究結果から、ピロリ菌に感染している人は、喫煙していると胃がんが起こりやすくなると考えられています。

 

ピロリ菌に感染しているからといって、すべての人が胃がんを発症するわけではありませんが、ピロリ菌感染者の男性の7 人に1 人、女性の14人に1 人が胃がんを発症すると考えられています。

 

ピロリ菌の検査 ~ 血液や尿、呼気、胃の組織などを採取してピロリ菌の感染を調べます~

胃がんを予防するためには、ピロリ菌に感染しているかどうかを調べるピロリ菌検査を受けることが大切です。内視鏡検査などで胃炎が確認された場合に行われるピロリ菌検査には、健康保険が適用されます。

 

ピロリ菌検査には、いくつかの方法があり、現在、6 種類の検査法に健康保険が適用されています。

 

最も正確な検査法として推奨されているのは、試薬を服用したのち、吐く息を採取して調べる尿素呼気試験と、便の中にピロリ菌が含まれているかどうかを調べる便中抗原検査です。

 

内視鏡で胃の組織を採取してピロリ菌に感染しているかどうかを調べる検査法には、迅速ウレアーゼ試験、鏡検法、培養法があります。

 

そのほか、血液検査や尿検査で調べる抗体測定があります。ただし、一度でもピロリ菌の除菌治療を受けたことがある場合は、抗体測定では正確な結果が得られないことがあるので、ほかの方法で検査を受ける必要があります。

 

なお、腸上皮化生に進行すると、ピロリ菌が住めない状態になるため、ピロリ菌検査を受けても陰性となる場合があるので注意が必要です。過去に胃潰瘍や胃炎を発症した経験がある中高年の人がピロリ菌検査を受ける際には、腸上皮化生が起こっていないかを確認することが重要になります。

 

ピロリ菌除菌のタイミング ~適切な時期に除菌することで高い確率で胃がんを予防できます~

ピロリ菌検査で陽性の場合は、胃がんを予防するために、ピロリ菌を除菌することが重要です。

 

ピロリ菌の除菌治療を受けた年代別に胃がんの予防率を調べた研究によると、男女ともに20~30歳代では胃がんの発症をほぽ予防できることがわかっています。そのため、胃がんの発症を予防するには、15歳くらいから30歳代までに除菌治療を受けることが勧められます。

 

除菌治療を受けた年齢が高くなるほど、胃がんの発症を予防できる効果は低下していきます。しかし、40歳を過ぎてからピロリ菌感染がわかった場合でも、胃がんを発症する可能性を減らすために、速やかに除菌治療を受けるようにしてください。

 

一方、幼いうちにピロリ菌の除菌治療を受けても、再感染する可能性があり、また、抗菌薬を服用するため、副作用に注意が必要です。

 

 

ピロリ菌の除菌治療 ~2種類の抗菌薬と胃酸の分泌を抑える薬を7日間服用します~

ピロリ菌の除菌治療の一次除菌では、アモキシシリンとクラリスロマイシンの2種類の抗菌薬に、胃酸の分泌を抑える薬であるPPI(プロトンポンプ阻害薬)またはPICAB(カリウムイオン競合型アシッドブロッカー)を加えた3つの薬を7日間服用します。

 

一次除菌でピロリ菌が除菌できなかった場合は、抗菌薬のクラリスロマイシンをメトロニダゾールに変更して二次除菌を行います。二次除菌まで受ければ、ほとんどの人がピロリ菌を除菌することができます。

 

ピロリ菌を確実に除菌するためには、決められた期間、薬をきちんと服用する必要があります。

 

除菌治療で使う抗菌薬の副作用として最も多いのが下痢ですが、一般に2〜3日で落ち着きます。また、抗菌薬のクラリスロマイシンを服用すると、口の中に苦みを感じたり、食べ物の味が変わったりします。

 

発疹が現れた場合は、薬が合っていないと考えられるので、いったん服用を中止します。

 

医師 佐藤 温
佐藤 温 医師

佐藤あつしクリニック 院長

医学博士 / 日本内科学会認定総合内科専門医 / 日本血液学会認定専門医・指導医 / 日本消化器病学会認定専門医 / 日本消化器内視鏡学会認定専門医 / 日本医師会認定産業医 / 日本医師会認定健康スポーツ医 / 日本スポーツ協会公認スポーツドクター/愛知県医師会認定かかりつけ医

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