アレルギー性鼻炎
2019.02.04
『花粉症』について
花粉症とは
花粉症の原因となる花粉は何十種類もありますが、日本で最も多いのはスギ花粉症です。スギ花粉は、例年2月ごろから飛散し始めます。
スギ花粉症の日本人の有病率は増えています。1998年は約16%でしたが、2008年の調査では約27%と10年間で著しく増加していることが報告されています。戦後にスギの植林が進み、花粉の飛散量が多くなったことが原因と考えられています。
また、最近では中高年になって突然発症することや、子どもの発症も増えていることから、体質の変化が関係している可能性も指摘されています。
花粉症を発症する人の場合、花粉が体内に入ってくると、免疫機能が働いて花粉を異物と認識し、IgE抗体がつくられ、免疫に関係するマスト細胞に結合します。この状態で再び花粉が体内に入ると、花粉を排除しようとしてマスト細胞からヒスタミンなどの化学伝達物質が放出されます。これらの化学伝達物質が神経や血管を刺激することで、花粉症の症状が起こります。
くしゃみ中枢が刺激されるとくしゃみ、分泌物が刺激されると鼻水、血管が刺激されると鼻づまりなどの症状が現れます。鼻の症状以外にも、目のかゆみや全身の倦怠感、イガイガや咳などの喉の不快感、頭痛などが起こります。症状がひどい場合は、睡眠が妨げられ睡眠不足になる人もいます。
また、喘息やアトピー性皮膚炎などがある人は、花粉症を合併しやすいことがわかっています。さらに、喘息のある人は、花粉症の時期に症状の悪化が多く見られます。
花粉症の治療法
◆くしゃみ・鼻水に対する治療
ヒスタミンを抑制する抗ヒスタミン薬、マスト細胞からヒスタミンが放出されるのを抑制するマスト細胞安定薬(ケミカルメディエーター遊離抑制薬)を使います。また、鼻噴霧用ステロイド薬はくしゃみや鼻水に加え、鼻づまりにも効果があります。
抗ヒスタミン薬は飲み薬で、即効性があります。以前から使われていた第一世代は、副作用として眠気が起こります。年々改良が進み方、眠気などの副作用が少ないものも登場していますが、市販の抗ヒスタミン薬の中には、眠気が強く現れ、服用後は車の運転を控えるなどの注意が必要なものが少なくありません。
マスト細胞安定薬は飲み薬で、副作用は少ないのですが、効果が現れるのにやや時間がかかります。
鼻噴霧用ステロイド薬は1日に決められた回数、鼻の中に噴霧します。この薬を使うと鼻や目の症状全般が防げます。用法、容量を守って使用すれば副作用は少なく、安全性は高いとされています。
◆鼻づまりに対する治療
化学伝達物質の1種である、ロイコトリエンと言う鼻づまりの原因物質を抑える抗ロイコトリエン薬を使います。副作用の少ない飲み薬ですが、効果が現れるのに少し時間がかかります。
◆目のかゆみ
主に抗ヒスタミン作用のある点眼薬を使います。
◆その他の治療法
鼻粘膜焼灼手術、舌下免疫療法
当院の特色
当院は20分でわかるアレルギー検査を導入しております。
この検査は、スギ花粉やダニ、イヌやネコのフケなど、みなさんが吸い込んでしまう可能性のあるアレルゲン(アレルギーを起こす物質)に反応する「lgE」という抗体がからだの中にあるかどうかを調べるためのものです。
検査により、症状を悪化させている原因を特定し、対策をすることで投薬とあわせてより高い治療効果が期待できます。
指先から採血を行い、20分で結果が出ます。
佐藤あつしクリニック 院長
医学博士 / 日本内科学会認定総合内科専門医 / 日本血液学会認定専門医・指導医 / 日本消化器病学会認定専門医 / 日本消化器内視鏡学会認定専門医 / 日本医師会認定産業医 / 日本医師会認定健康スポーツ医 / 日本スポーツ協会公認スポーツドクター/愛知県医師会認定かかりつけ医
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