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気管支喘息

2019.01.25

気管支喘息

気管支喘息

喘息(ぜんそく)を正しく理解して治療を続け、治療中でも症状があれば医師に相談しましょう。

 

気管支喘息の症状とはどのようなものですか?

気管支喘息の主な症状は、咳や痰、息苦しさ、呼吸時のゼーゼー・ヒューヒュー(喘鳴)など、さまざまな症状が現れる病気です。

 

また気管支喘息の症状は、夜間や早朝に起こりやすいのが大きな特徴です。

 

季節の変わり目など、気温差が激しいとき、天気がよくないとき、疲れているとき、風邪を引いたとき、症状を引き起こすアレルゲンや刺激物質などを吸い込んだときにも起こりやすいと言われています。

 

《気管支喘息の症状》

・息苦しい
・咳き込む
・痰
・呼吸時にゼーゼー、ヒューヒューという音(喘鳴)が出る
・夜間や早朝に咳や喘鳴などの症状が出やすい
・喘息の症状で夜間、目が覚める
・走ったり運動した後、息苦しい

 

気管支喘息はなぜ起こるのですか?

肺への空気の通り道である気道は、本来なめらかです。しかし、喘息の患者さんでは、気道が常に炎症を起こしていて、気道が狭くなっています。炎症が起きている気道は刺激に対して敏感になっている(気道過敏性の亢進)ため、正常な気道なら何ともないわずかな刺激でも気道が狭くなり、咳をしたり息苦しくなったりします。

 

気管支喘息の症状はいつも同じように起こるのですか?

気管支喘息は変動性のある病気と言われており、1日あるいは1年のなかでも、症状がひどくなるときと落ち着くときがあります。

 

これは、症状のきっかけとなる刺激の原因物質が常に一定ではなく、一日一日や季節によって多くなったり少なくなったりするためです。

 

どんなものが気管支喘息の症状を引き起こすのですか?

症状のきっかけとなるものには、アレルゲンとそれ以外のものがあります。アレルゲンとはアレルギー反応を起こす原因となる物質のことで、ダニやカビなどがあります。アレルゲン以外としては、タバコの煙や風邪が代表的です。

 

症状を引き起こす物資は人によってさまざまで、いくつかの原因物質が組み合わさって起こることもあります。気管支喘息の症状を予防するには、これらの刺激をなるべく避けることが大切です。

 

ときどき、咳が出たり息苦しいことがありますが、仕方がないですか?

気管支喘息だから症状が出るのは仕方がないことだと思っていませんか?現在では、きちんと治療すれば、症状をゼロにして、健康な人と変わらない生活を送ることが夢ではなくなっています。そのためには、まず、今ある症状を医師に伝えることが大切です。医師と一緒に、治療目標に向けて治療していきましょう。

 

〈気管支喘息の治療目標〉

・健康な人と変わらない生活が送れる(仕事、家事、学校を休まないなど)
・外出や運動ができる
・夜間や早朝に症状がなく、よく眠れる
・昼間の症状(発作)がない
・症状(発作)のために受診することがない
・肺の機能(ビークフロー)のよい状態が続く
・薬の副作用がない

 

喘息の治療にはどのようなお薬が使われますか?

喘息の治療薬には、起こってしまった発作をしずめるお薬と、発作が起こらないように毎日継続するお薬の2種類があります。

 

毎日継続するお薬には、気道の炎症を抑える「吸入ステロイド薬」、狭くなった気道を拡げる「長時間作用性吸入β2刺激薬」、この2種類のお薬が1つの吸入器に入った配合剤、気道を拡げたり気道の炎症を抑えたりする「ロイコトリエン受容体拮抗薬」、気道を拡げる「テオフィリン徐放製剤」、喘息のアレルギー反応を抑える「抗lgE抗体」などがあります。

 

この中で、吸入ステロイド薬が基本の治療薬として位置づけられています。気道の炎症を抑えることが喘息治療の基本なのです。吸入ステロイド薬は、薬剤の特性として局所に抗炎症作用を示すため、比較的少ない量で用いられます。

 

発作止めのお薬で症状を抑えられれば、喘息の治療はできていますか?

喘息の患者さんにとって最も辛い症状は発作です。そのため発作を抑えることが喘息の主たる治療であると勘違いしてしまいがちです。

 

発作止めのお薬で症状を抑えることも大切ですが、症状を抑える発作止めのお薬だけでは、氷山の一角を治療しているにすぎません。喘息の原因は気道の炎症であるため、炎症に対する治療を行わなければ、発作が繰り返し起こり、さらに苦しい症状を招くことになります。

 

医師 佐藤 温
佐藤 温 医師

佐藤あつしクリニック 院長

医学博士 / 日本内科学会認定総合内科専門医 / 日本血液学会認定専門医・指導医 / 日本消化器病学会認定専門医 / 日本消化器内視鏡学会認定専門医 / 日本医師会認定産業医 / 日本医師会認定健康スポーツ医 / 日本スポーツ協会公認スポーツドクター/愛知県医師会認定かかりつけ医

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