片頭痛(偏頭痛)の治療・予防
このような片頭痛の症状で
お悩みではありませんか?
- □ ドクンドクンと脈打つ痛みがある
- □ 1回の頭痛が4~72時間続く
- □ 痛みが片側に起こる
- □ 吐き気や嘔吐を伴う
- □ 日常生活に支障がある
- □ 頭痛によって、週に1日以上日常生活に支障が出る
治療法
片頭痛(偏頭痛)の薬物療法には、痛みを止める「急性期治療(お薬)」と、
片頭痛(偏頭痛)発作が起こるのを減らす「予防治療」があります。
自分に適した治療法をみつけることが「片頭痛(偏頭痛)コントロール」の第一歩です。
予防方法・
エムガルティ治療について
新しい片頭痛(偏頭痛)治療薬「エムガルティ」を使った予防療法が、当院でも可能になりました。
エムガルティによる治療は、頭痛診療で5年以上の臨床経験を有しており、日本内科学会、日本神経学会、日本頭痛学会、日本脳神経外科学会のいずれかの専門医を取得している医師が在籍している医療機関でお受けすることができます。
当院の院長は、日本内科学会認定総合内科専門医です。
エムガルティとは
片頭痛(偏頭痛)発作が起こるのを抑えるために作られた、月に1回注射するタイプの予防薬です。
エムガルティのはたらき
- 片頭痛(偏頭痛)は、脳内にCGRP(※)という物質が増え、脳の血管にさようして起こるといわれています。
- エムガルティは「抗体医薬」という飲み薬とは違うタイプのお薬で、皮下に注射して、それが血液中に入り、効果を発揮します。
- エムガルティは、CGRPのはたらきをおさえ、片頭痛(偏頭痛)発作が起こるのをおさえると考えられています。
※カルシトニン遺伝子関連ペプチドの略
当院でのエムガルティ治療
エムガルティ治療が可能な方
- 医師に片頭痛(偏頭痛)と診断されている方
- 片頭痛(偏頭痛)が過去3か月の間で、平均して1か月に4日以上発生している方
- 従来の片頭痛(偏頭痛)予防薬の効果が不十分、または内服の継続が困難な方
- 18才以上の方
※妊娠中・授乳中の方は、十分検討した上での「慎重投与」となります。
エムガルティ治療が実施できない方
- 18才未満の方
- 片頭痛(偏頭痛)と診断されてない方
他院で片頭痛(偏頭痛)の治療を受けられたことがあり
当院が初めての方へ
- □ 必ず通院先からの紹介状(診療情報提供書)をご用意ください。紹介状がない場合は改めてご用意をお願いすることがあります。
- □ 過去に使用されたトリプタン、予防薬の一覧は、初診前にまとめていただきますようお願いいたします。
治療の流れ
- 受診(問診、検査等)
- エムガルティ治療決定
-
- 初回2本注射
- 初回に2本注射することによって、
お薬の血中濃度が早く安定した状態になります。
-
- 翌月以降1本注射
- お身体に変化がない場合は以後1カ月毎にご来院いただき注射を行います。
注射について
- 手、足、腹部のいずれかに注射します。
- 医師または看護師が「オートインジェクター」を使って皮下注射を行います。
- 当日診察前の準備は不要です。
- 3か月ごとに効果を見直し、効果が無ければ中止も考慮いたします。(片頭痛ではない可能性が高いため)
主な副作用
- 注射部位の痛みや腫れが生じる場合があります。多くの場合、注射した日に出現し、数日以内に消失します。
- めまい、便秘、じんま疹が生じる場合があります(いずれも1%未満)。
- その他、ごくまれではありますが、重大な副作用にアナフィラキシーがあるため、注射後15分程当院で待機していただきます。
- その他、気になる症状があらわれた場合には、ご相談ください。
費用について
・薬剤は保険適応です。
・その他、診察料、医療費が別途かかります。
エムガルティの 薬剤費 |
初回投与時 (2本) |
2ヶ月目以降 (1本) |
---|---|---|
3割負担※ | 約27,000円 | 約13,500円/月 |
※70歳未満の者又は70歳以上の現役並所得者(令和3年4月のエムガルティの薬価をもとに計算)
医療費の助成制度について
医療費が高額になった場合、医療費の自己負担額が軽減されたり、税金の一部が減額されるなど、医療費の助成を受けられる場合があります。
▼関連リンク
厚生労働省ホームページ
1)医療費控除
生計を一つに家族の医療費(保険金などにより補填される金額を除く)の総額が、1月から12月の1年間で10万円(※)を超えた場合、確定申告の際に手続きを行うことで、税金の一部が控除(減額)される制度です。
※その年の総所得金額等によって変わります。
領収書が必要になりますので、病院や薬局などで受け取った領収書は大切に保管しておきましょう。
▼お問い合わせ先
最寄りの税務署
2)付加給付制度
・企業などの健康保険組合や共済組合によっては、独自の給付制度を設けている場合があります。高額療養費の上限よりも低い金額を、自己負担の上限額に設定している場合、一定額を超えた分が付加金としてプラスで給付されます。それらを「付加給付」や「一部負担還元金」などと呼びます。
・付加給付制度における自己負担限度額は健康保険組合によって異なりますので、ご加入されている健康保険組合にお問い合わせ下さい。
▼お問い合わせ先
ご加入されている健康保険組合
3)高額療養費制度
・1ヶ月に支払った医療費の窓口負担額が一定額を超えた場合に、その超えた金額を加入している健康保険から支給される制度です。
・年齢や所得によって、最終的な自己負担額となる「負担の上限額」が異なります。
▼お問い合わせ先
ご加入されている健康保険組合
よくある質問
- どれくらい続けるの?
- 少なくとも6~8ヵ月は使用していただき、片頭痛(偏頭痛)日数や片頭痛(偏頭痛)の強さが減少して生活に支障がないようであれば、いったん中止するか、そのまま続けるかを検討していきます。
- 効果はどれくらいであらわれるの?
- 多くの患者様で使用開始翌月には効果が出ています。以下の資料をご参照ください。
・反応率とは…1ヶ月あたりの片頭痛日数がベースライン値より50%以上、75%以上又は100%減少した患者割合。
・出典…他剤で効果不十分な片頭痛(反復性片頭痛及び慢性片頭痛)患者を対象とした国際共同第Ⅲ相試験