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メタボリック症候群

2019.02.15

メタボリック・シンドローム

メタボリック・シンドローム

メタボリック・シンドロームとは?

メタボリック・シンドロームとは、次の二つの特徴がある状態です。

 

《特徴1》複数の病気が重なり、動脈硬化が進む

脂質異常症や高血圧や糖尿病という病気は、重なって起きることが少なくありません。そして、そのような状態では、それぞれの病気が相互に悪さを及ぼしあって、動脈硬化による合併症が早く進行してしまいます。

 

《特徴2》それぞれの病気は軽症のことが少なくない

複数の病気が重なっていますが、たいていは自覚症状がありません。また、血圧や血清脂質(中性脂肪やコレステロール)や血糖の検査値も、それほど悪くないことが多いです。このため、検査値の異常があっても、軽症と判断してきちんと治療せず、ある日突然、心筋梗塞や脳梗塞の発作が起き、動脈硬化が進行していた事実に、初めて気づかされるということがあります。

 

なにが原因ですか?

脂質異常症や高血圧、糖尿病などを併発すると、動脈硬化が極めて早く進行することは、古くから知られていました。ただ、なぜ複数の病気が併発するのか、その理由がわかっていませんでした。しかし近年の研究によって、おおもとの原因は「内臓脂肪の過剰な蓄積」であるということが明らかになりました。

 

 

診断されるのは、どんなとき?

①最初に、内臓脂肪の過剰な蓄積を確認する

メタボリック・シンドロームは、内臓脂肪の溜まり過ぎが原因で複数の病気が併発し、動脈硬化が急速に進行しやすくなっている状態です。ですから、メタボリック・シンドロームを診断するには、まず、内臓脂肪が過剰に溜まっていることを確認します。それには、おへその位置で腹囲を測ります。腹囲が男性は85cm以上、女性は90cm以上のとき、内臓脂肪が過剰に溜まっている状態と判断します。「脂肪が過剰に溜まっている」と聞くと、太っている人のことだと思いがちですが、実際に腹囲を測るとわかるように、太っているように見えない人でも、この基準値を上回っていることがよくあります。いわゆる 「隠れ肥満」です。メタボリック・シンドロームは、このような隠れ肥満の人に少なくありません。

 

②次に、複数の病気が起きているかを確認する

内臓脂肪の溜まり過ぎが確認できたら、次に、それによってからだに影響が現れているかどうかを確認します。

 

(1) 血圧測定で、収縮期(最大)血圧≧130mmHgかつ拡張期(最小)血圧≧85mmHg

(2) 空腹時血糖≧110mg/dL

(3) トリグリセド≧150mg/dLかつ/またはHDLコレステロール<40mg/dL

 

血清脂質、血圧、血糖の検査値のうち、二つ以上に異常があれば、メタボリック・シンドロームです。血清脂質、血圧、血糖が高いときには、それぞれ、脂質異常症、高血圧、糖尿病という病気を診断されます。しかし、それらの病気の診断基準を満たさなくても、メタボリック・シンドロームに当てはまることがあります。糖尿病などの病気ではなく、その「予備群」であっても、それが複数あるなら、動脈硬化の進行予防という点からみると、すでに手を打たなければいけない状態だということです。

 

 

内臓脂肪って、どんな悪さをしていますか?

食事をして体内に入っ たエネルギーが、からだを動かして消費するエネルギーより多いと、余分なエネルギーが脂肪として蓄えられます。その脂肪は、溜まる場所によって、内臓脂肪と皮下脂肪の二つに分けられます。

 

内臓脂肪は、おなかの中の内臓周囲につく脂肪です。ですから、それが過剰に溜まった状態「内臓脂肪型肥満」では、おなかの出っ張りが目立ちます。このような太り方は、男性に多い「上半身肥満」と一致します(その体型からリンゴ型肥満とも呼ばれます)。

 

一方、皮下脂肪は全身の皮下に溜まりますが、とくにお尻や足につく脂肪が目立ちます。女性に多い「下半身肥満」の体型の人は、「皮下脂肪型肥満」ということです(洋ナシ型肥満とも呼ばれます)。

 

この二つのタイプの肥満のうち、さまざまな生活習慣病と関係が深いのは、内臓脂肪型肥満のほうです。

 

余分なエネルギーが脂肪として蓄えられますが、脂肪は単にエネルギーを貯蓄するだけでなく、数々のサイトカインを分泌しています。サイトカインとは、細胞で作られるさまざまな生理活性物質のことです。脂肪細胞が分泌するサイトカインは 何種類かみつかっていて、「アディポサイトカイン」と総称されています(アディポは脂肪という意味です)。

 

内臓脂肪が増えると、このアディポサイトカインの分泌に異常が起きます。インスリン(おもに血糖値を下げる働きをするホルモン)の働きを邪魔して血糖や血圧を高くしたり、血液を固りやすくして心筋梗塞や脳梗塞の発作を招く、“悪玉”のアディポサイトカインが増えます。その一方で、動脈硬化の進行を抑えたり、インスリンの働きを高める“善玉”のアディポサイトカインは少なくなります。さらに、内臓脂肪からは、脂肪の一種の「遊離脂肪酸」が放出されるので、血清脂質が高くなります。

 

診断されたら、どうすればいいですか?

《基本は》過剰に溜まった内臓脂肪を減らすこと

メタボリックシンドロームに当てはまるなら、動脈硬化の進行を抑えるための対処・治療が必要です。

 

その 第一の方法は、複数の検査値異常のおおもとの原因である、過剰に溜まった内臓脂肪を減らすことです。

 

「皮下脂肪は定期貯金、内臓脂肪は普通預金」と言われます。皮下脂肪は溜まるのも使うのも時間がかかる一方、内臓脂肪は溜まりやすく消費されやすいという意味です。つまり、幸いにも、内臓脂肪型肥満は解消しやすい肥満だということです。

 

《目標は》体重よりウエストサイズを目安に

さまざまな病気の原因を比較的簡単に解消できるとなれば、なにもせずにいる手はありません。エネルギーを使って、せっせと内臓脂肪を減らしましょう。まずは、減量にこだわらずにウエストを細くすることが最初の目標です。ウエストが細くなれば、内臓脂肪が減ったということで、多くの検査値が同時に改善してきます。

 

《方法は》一に運動、二に食事、しっかり禁煙、最後にクスリ

 

からだを使うチャンスを見つける

今の社会は、自分でからだを動かす努力をしないと、運動量がどんどん減ってしまう世の中です。自動車が普及し、駅や街中の階段にはエスカレーターが設置され、自分の足をあまり使わずに移動できます。仕事の内容も昔と異なり、椅子に座ってパソコンを操作する時間が長くなっていると思います。

 

エスカレーターに乗らず階段を上る、車で5分の距離は歩いて行くといったように、毎日の生活の中で、できるだけからだを使う機会を見つけてください

 

食事のとり方を見直しましょう

もちろん、運動と同時に食事の習慣の見直しも必要で す。腹八分目、寝る前には食べない、油ものは少なくして野菜を多くとる、よく噛んでゆっくり食べる、お酒を飲み過ぎない──。あたり前のようなこういった‘基本’を、しっかり続けることが大事です。

 

検査値が十分に改善しなければ、薬で治療

運動や食事の習慣を改めて内臓脂肪が減っても、十分に改善しない検査値が残ることもあります。その場合は、薬を使って治療します。

 

なお、メタボリック・シンドロームと診断される前すでに、脂質異常症や高血圧、糖尿病などの薬を処方されていた場合は、その薬物治療を続けながら内臓脂肪を減らしていきます。また、メタボリック・シンドロームの診断基準には、LDL-コレステロールや食後血糖が入っていませんが、脂質異常症や糖尿病の患者さんの場合、それらもしっかりコントロールしてください。

 

《注意点》年に一度は検査を受ける

もう一つのアドバイスは、「検査を欠かさない」ことです。メタボリック・シンドロームはもとより、脂質異常症や高血圧、糖尿病などの病気や動脈硬化さえも、自覚症状がほとんど現れません。一度改善した検査値が、再び悪くなることもあります。 動脈硬化を抑え心筋梗塞や脳梗塞の発作を防ぐには、そのような変化を早期発見することです。定期的に検査を忘れずに受けるようにしましょう。もちろん、脂質異常症や高血圧、糖尿病などの治療を受けているのであれば、しっかり通院を 続けてください。

 

 

医師 佐藤 温
佐藤 温 医師

佐藤あつしクリニック 院長

医学博士 / 日本内科学会認定総合内科専門医 / 日本血液学会認定専門医・指導医 / 日本消化器病学会認定専門医 / 日本消化器内視鏡学会認定専門医 / 日本医師会認定産業医 / 日本医師会認定健康スポーツ医 / 日本スポーツ協会公認スポーツドクター/愛知県医師会認定かかりつけ医

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